元駐妻さんに、現在の働き方についてインタビュー。
仕事を退職(休職)して海外に住み、本帰国した元駐妻さんはその後どうしているのでしょうか?
5回目は、元タイ駐妻でフリーのイラストレーターとして活躍中の朝倉さんにお話をしていただきました。
- フリーランスで突然駐在妻に!仕事はどうなる?
- フリーの仕事は自由があると言うけれど…実際は?
- 子供がいない時点での海外駐在…ならではの迷いと葛藤を持っている。
朝倉千夏さんプロフィール
2008年末〜11年9月の2年半、タイに滞在。
旦那さんの海外赴任から1年遅れて来タイしました。
大学在学中からフリーのイラストレーターとして活躍中。
得意分野はイラストルポ。
人物のイラストやマンガの仕事を主に担当。教育関係の冊子、女性誌、PC誌などの媒体に掲載されています。
旅の指差し会話帳ベトナム版・ブータン版のイラストを担当しています。
旅の指さし会話帳11 ベトナム [第2版] (旅の指さし会話帳シリーズ)
旅の指さし会話帳81 ブータン(ゾンカ語) (旅の指さし会話帳シリーズ)
お仕事の詳細はこちらへ!(Facebookページ)
https://www.facebook.com/chinatsu770721asakura/
夫の海外駐在が決まった当時
帯同することが決まった当時、どのようなお仕事をしていましたか?
連載を数本抱えていて、ほとんどがイラストレポートというものでした。
- 街歩きをして店主などのインタビューしながら取材、地図・イラストでレポートする月一連載
- 人に会ってインタビューした記事をイラスト・テキストで掲載する隔週連載など…
数年続いているものもあったそうです!(すごい!)
連載モノは、数ヶ月後に辞めるわけにはいきませんよね。
クライアント(お客様)にはどのように説明をしましたか?
一年以上前に報告をして、連載はあと一年で終わりにすることにしました。
全てのクライアントに説明したのですか?
いえ。取材が必要なく、メールだけのやり取りのみのクライアントには結婚や海外赴任の連絡などはしていません。
フリーランスって海外でも仕事を続けられるの?
最近、駐妻の間で「海外でも仕事を続けたい」「自由な働き方ができるフリーランスになりたい」人が増えてると感じています。
実際に、フリーランスなら海外でもお仕事を続けられましたか?
続けられたものもありますが、メインの仕事は続けられませんでした。
メインのお仕事って何ですか?
日本で取材ありのイラストレポートでした。
よって、タイではほぼレポートの仕事はできなくなってしまって…。
メールのやり取りでOKな単発の仕事(カットイラスト)だけは断らず、タイでも続けていました。
フリーランスは自由な働き方ができるとは言いますが、取材あり・対面の仕事はそうもいきませんよね。メインの仕事が無くなるなんて、とても悔しい!
タイ在住中、本帰国後の仕事を見据えてやっていたこと
タイで、本帰国後の仕事を見据えてやっていたことはありますか?
全く何もしませんでした。
海外に行く=仕事関係も住む場所も全てリセット。帰国後は再スタートするつもりでした。
(再スタートってかっこいいけど、やっぱりもったいない…!)
(本帰国後の仕事を見据えてやっていたことを)強いて挙げるなら、カットイラストの仕事を継続していたことでしょうか。
駐在中に、連載していたクライアントさんに連絡を取ってみましたか?
一部には、挨拶の電話をしました。
しかし、担当者に取り次いでもらえず、そのまま仕事の縁は無くなってしまいましたね。
それは残念でしたね。なんとも厳しい世界です…!
本帰国に向けて、不安や心配は…?
本帰国にあたり、不安や心配はありましたか?
仕事と不妊治療の両立がどうなるかが不安でした。
子供のいない人生を選べば、出版社に営業をガンガンかけたと思いますが、
私はまだ子供を諦めておらず、妊娠したとしても未知の世界で大好きな仕事にどっぷり浸かるのも怖かったのです。
タイに住む前は、お仕事をバリバリこなしていたと聞いてますが…
そうです。あの頃のように働いていたら、妊娠できなかったと思います。
仕事が大好きだから仕事はしたい。なのに、できない。
…と自分で仕事のブレーキをかけてジレンマに陥っていました。
その気持ちを抱えたまま、帰国するのは辛いですね…。
はい。不妊治療と仕事で、不安と心配のまま帰国しました。
女性にとって、仕事と家庭のバランスほど難しい問題はありませんよね。
帯同中、やっておいてよかったことは?
帯同中、やってよかったことってありますか?
タイ語を習ってよかったです。
タイ人とのコミュニケーションは、私のレポート魂を刺激してくれました。
日本からのお仕事(カットイラスト)もやってよかったことの一つですか?
そうですね。少しですが細々とイラストの仕事を続けることで、自尊心をキープしていました。
もし仕事を全くしなかったら、精神のバランスを崩していたと思います。
では、やっておきたかったことってありますか?
在タイ日本人に営業しておきたかったです。
でもやはり駐妻の身なので、あまりおおっぴらにタイで営業することはできませんでした。
駐妻の身だと制約がありますよね。
今考えると大きな営業チャンスを逃していますよね。
でも、仕方がない期間だったんだ、と思っています。
本帰国後、大変だったことは?
お仕事面で、本帰国後大変だったことを教えてください。
海外に出たことによって失った仕事とクライアントは大きすぎました!
ですよね…。
帰国して何年も経っているのに、海外在住により断った仕事は一つも戻っていません。シビアな世界です。
フリーランスは一度仕事を断るとなかなか戻ってきませんよね。残念ながら…
現駐妻さん、未来の駐妻さんに向けて
本帰国後の働き方に悩んでいる、現駐妻さん、未来の駐妻さんに伝えたいことはありますか?
自分は何をしている時が楽しいのかな?と自分に問うことです。
(少し長くなるので、吹き出し無しでそのまま載せますね。)
駐妻はどんなに楽しい海外生活を送っていても夫の会社の管理下にある、という状況がついて回ります。
その中で見つけた自分の楽しみ、それが帰国した後も続けられたらどんなに素晴らしいでしょう。
新たなステージの仕事になるような気がします。
帰国を機に起業する、新しい仕事で成功するタイミングになるかならないかは、「帯同先で好きな人・ものと向き合えたかどうか」で決まるような気がします。
帰国を機に起業した人ですが、「帯同先で好きな人(読者さん)・もの(ブログ)と向き合えた」から。
朝倉さんのいう、「新たなステージの仕事」ができて幸せです。
あらためて、読者のみなさま、ありがとうございました。
って言うと、もうこの企画が最終回のような雰囲気ですが、まだまだ続きます。
まとめ
朝倉さんと出会うきっかけは、この企画が始まった直後にメールをいただいたことでした。
私は駆け出しゆるふわフリーランスなのに、なぜこんなすごい人が…(震え声)
と思ったのですが、朝倉さんのような元駐妻フリーランスさんにも刺さっててすごく嬉しかったです。
駐妻さんインタビューは、「現駐妻さん、未来の駐妻さん」向けに始めたものなのに、朝倉さんの話は駐妻を卒業して1年半の自分へのメッセージのようで、編集しながらいろいろ考えてしまいました。
- フリーランスだからといって、全てが自由ではない。
- 特に失った仕事を取り戻すのは難しい(涙)。
- 自分は何をしている時が楽しいのか?帯同中は自分と向き合ってみよう!
朝倉さん、ありがとうございました!
朝倉さんのお仕事ページはこちら↓
https://www.facebook.com/chinatsu770721asakura/
余談ですが、タイ語版指差し会話帳(本&アプリ版)にお世話になった私としては、少し運命を感じました…!
次回は…
駐妻がブログを始める上で身につけたいスキル
について書きます。
その次はインタビュー、その後からは隔週にしようかと思ってます。
インタビューは結構時間が取られるので、月2本くらいのペースでできたら…いいな。